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DIGITALMONSTER  
X−EVOLUTION   

                          (小説版)
 
                        フルCGアニメの小説版です。
 
15    第14章
オメガモンはゆっくりと落下するドルモンを抱える形で受け止めた。
しばらくその顔を無言で見つめる。
そして彼は割れ目から火花を散らす主に問う。
「イグドラシル!!・・・これが・・・、貴方の望みですか・・・・!!」
彼は“かつて”の自らの主を見すえていた。
「私にはわかりません・・・・・」
オメガモンは左腕の剣、グレイソードを出す。
そして心から叫んだ。
「わかりたくもない!!!!」
グレイソードを真上に構える。
「[オール・デリート]!!!」
一気に高く飛び上がった彼は剣に刻まれた技を使った。
過去の彼の全力とは比べ物にならない一撃がイグドラシルに撃ち込まれる。
 
(わたしはなにをしてきた・・・!?イグドラシル。あなたはなにを目指したというのだ・・・!)
 
イグドラシルから黒い波が現れ、オメガモンの周囲全てが覆われた。
 
オメガモンの目に砕け散っていくイグドラシルの様子が刻み付けられる。
 
 
やがて美しい光が中心に現れ、見る見るうちに遠ざかっていった。
 
やがて光が広がり、オメガモンは気を失った。
 
 
 
デジタルワールドが果てしなく広がっていく。
 
 
その後、小高い山の上で盟友は顔を合わせていた。
「・・・・・。私が覚えているのはそこまでだ」
オメガモンの
「イグドラシルも必死だったわけだ。プロジェクト・アークの真意、ようやく判った」
「聞こう」
デュークモンはオメガモンに言った。
「我君イグドラシルはあまねくこの世界に関与しておられる。しかし、世界は複雑かつ煩雑になった。そこですべてを仕切りなおそうと考えた」
「それがプロジェクト・アークだと?」
「おそらくな・・・。だが、我君自身にはそれを断行するだけの力がない。そこであの実験体に全てを賭けたのだと思う」
「結局はおれたちもイグドラシルに踊らされたということか」
「いっただろう。イグドラシルも必死だった。かの君も生きたかったのであろう」
それを聞いたオメガモンは呟いた。
「全ての命は生きるためにある、か・・・」
デュークモンは森の中を駆けていく小さな体を見て言った。
「これからのあいつが、楽しみだな・・」
 
 
ドルガモンが隠れていた遺跡。
その入り口でトコモンは待っていた。ドルグレモンの約束を信じて。
やがて森から走ってくる影を見つけてトコモンは遺跡を飛び出した。
 
 
「帰ったよ!・・・・・・・」
 
 
 
デジタルワールドが果てしなく広がっていた。
更新日時:
2007/12/15 
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