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DIGITALMONSTER  
X−EVOLUTION   

                          (小説版)
 
                        フルCGアニメの小説版です。
 
11    第10章
再び湖に水柱が立ち、ウォーグレイモンが姿を現した。声を上げデクスドルグレモンの群れに襲い掛かる。
洞窟内ではメタルガルルモンがデクスドルグレモンを撒こうとしていた。
 
大空洞門の前にマミーモンがいた。避難はほぼ完了したはずだ。シルフィーモンがまだこないが彼もじきに来るだろう。
マミーモンは愛銃『オベリクス』を持ち直した。
薄暗い洞窟に目を凝らす。
「!」
何かが動くのを見つけた。すかさず構えたオベリクスの金属照準器の中にはハヌモンに肩を貸したシルフィーモンだった。
マミーモンはオベリクスを下ろし、安堵のため息をついた。
 
 
 
デクスドルグレモンの巨体が次々と落ちていく。
頭部をドラモンキラーで打ち抜くウォーグレイモンを見たデジモンたちは口々にこう言っていた。
「戦えるものは前に出ろ!ウォーグレイモンを援護するんだ!」
 
 
「メタルガルルモンが!?」
大空洞で、マミーモンはハヌモンに肩を貸してシルフィーモンの話を聞いていた。
「敵を一手に引き受けて・・・。それで私たちが逃げる時間を。たのむ。彼を待ってやってくれ」
マミーモンは洞窟を振り返り、なやんだ。
 
狭い洞窟内を大量のデクスドルグレモンがメタルガルルモンを追い続けていた。
突然メタルガルルモンの目の前の壁が崩れ数体のデクスドルグレモンが姿を現した。
足止めされたデクスドルグレモンめがけて背中に内蔵されていた高威力のミサイルを撃ち込むとメタルガルルモンは全速力で離脱した。
 
大きな地響きが大空洞のマミーモンたちの所まで届いた。
様子を伺ったマミーモンはしびれを切らし言った。
「もうこれ以上は!」
「いや!私は約束したのだ!待っていると」
「来る。彼は、きっと」というシルフィーモンの声を聞きながらマミーモンは再び様子を伺った。すると
「!」
「まて!!」
洞窟の角から何かが高速で飛び出し、マミーモンがビームを打ち込んだ。シルフィーモンが止めるが間に合わなかった。
ビームは飛び出したメタルガルルモンをかすれ洞窟の天井部分に命中し落盤を引き起こした。メタルガルルモンを追っていたデクスドルグレモンの生き残りは残らず下じきになった。
門の隙間を抜けるとメタルガルルモンはマミーモンに振り返って言った。
「いいタイミングだ」
マミーモンは笑うしかなかった。
 
 
 
湖の出口にたどり着いたウィザーモンは到着していたほかのデジモンたちの間を抜けて外を見て、驚いた。
「ここにも・・・?」
ウォーグレイモンを援護しようと外に出たデジモンたちは次々とデクスドルグレモンに倒されていった。
「こいつを頼む・・・!」
ドルガモンを下ろすとウィザーモンは杖を構えた。
「[サンダークラウド]!!!」
前線に飛び込んでいったウィザーモン。その真上の崖の縁にトコモンが言いつけどおりにいた。下を見下ろしていたトコモンはドルガモンの姿を見つけてうれしそうに、そして思わずさけんだ。
「モンー!いたー!」
その声に気づいた1体のデクスドルグレモンが飛び上がった。
「トコモン!」
ウォーグレイモンもそれに気づきブースターをフル加速させ後を追った。
鎖つきドラモンキラーを構え、ウォーグレイモンはそれを放ったが脇から現れたもう1体に当たってしまい鎖に引かれウォーグレイモンも落ちていった。
崖を上りきったデクスドルグレモンはトコモンに襲い掛かろうとし、同時に爆発した。
ドラモンキラーを引き抜いたウォーグレイモンは飛び上がり辺りを見まわした。
 
 
洞窟の入り口では煙立つミサイルポットを背にしたメタルガルルモンが脇にシルフィーモンとマミーモンを従え立っていた。
 
 
空中で久々にウォーグレイモンとメタルガルルモンは顔を合わせた。
「生きていたのか・・・!」
「心配かけてすまなかったな」
 
 
メタルガルルモンたちが参戦し、戦況は少しずつ変わっていった。
「[ポセイドンフォース]!!!」
シルフィーモンもトップガンを放つ。その後ろをトコモンが駆け抜け、ドルガモンに駆け寄った。
トコモンに呼ばれたドルガモンは目を開けた。そして・・・
「なぜ?どうして・・・?やめろ!!!!!」
光りが降り注ぎ、それが消えたとき。
 
ドルガモンは完全体・ドルグレモンへの進化を果たした。
 
 
それを見たウィザーモンは絶対に信じられないという顔で息を飲んだ。
マミーモンは即座にオベリクスを向け叫んだ。
「お前なにもんだ!!お前なんか・・・、お前なんか助けるんじゃなかった・・・!」
「なんだって・・・?」
つぶやいたドルグレモンは飛んだ。その後の空間をビームが貫いた。
 
 
 
 
更新日時:
2007/05/08 
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