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DIGITALMONSTER  
X−EVOLUTION   

                          (小説版)
 
                        フルCGアニメの小説版です。
 
4    第3章
遺跡に隠れていたドルモンは地響きを感じ目を覚ました。
遺跡を出る。
あたりを見回したドルモンは、やがて壁にウォーグレイモンが叩き付けられているのを見つけた。
警戒していたドルモンを見つけたトコモンが跳ね回る。
近くに寄ったドルモンの額に気づき、顔をゆっくりとあげ、ウォーグレイモンが口を開いた。
「そうか・・・キミもX抗体を持っているんだな・・・。ここじゃ辛かったろう・・・」
ドルモンは首を大きく横に振った。しばらくして肩を落とす。
ウォーグレイモンはそれを見つめ、そして言った。
「キミを仲間と思って1つ頼みたいことがあるんだが・・・」
ドルモンは驚いて聞き返す。
「仲間・・・・?」
「そうだ。キミなら分かるだろう?オレもX抗体を持っている。あまり時間がない・・。オレは必ず戻る。戻ってくるからそのときまでこの子の面倒を見てもらえないか・・?」
ドルモンはトコモンを見下ろした。
「この子を・・守ってやってくれ」
トコモンはドルモンに近づくとしっぽに噛み付いた。
ウォーグレイモンは目を細めてそれを眺め、
「大丈夫。キミならきっとできる」
そう言って体を起こした。
「わかった・・」
ドルモンがそう言うと、ウォーグレイモンは礼を言い残してブースターで飛び上がった。
飛び去るウォーグレイモンを白いデジモンが追う。
「・・・あれってロイヤルナイツ?なんでネットワークの守護者が・・・」
そしてしっぽにぶら下がるトコモンに言った。
「・・・痛いよ」
 
 
蒼い海の上をウォーグレイモン・オメガモンが猛スピードで疾走する。
ウォーグレイモンは自分を追うオメガモンを確認すると海面すれすれを飛ぶ。
水しぶきが上がり、白銀のラインが海の上に浮かんだ。
オメガモンは追うのをやめ、ガルルキャノンを構える。水しぶきの先頭を狙った。
 
ガルルキャノンが放たれる直前、ウォーグレイモンは少し離れた場所で海水に力を注ぎ、巨大な水球を作りだす。
「[ポセイドンフォース]!!」
ウォーグレイモンの放った攻撃とオメガモンのガルルキャノンが衝突し大爆発を起こした。
霧が巻き起こり、爆風が海面を舐める。
それが晴れたときウォーグレイモンの姿は無かった。
 
「こざかしい・・・」
目を光らせ、吐き捨てたオメガモンにデュークモンから連絡が入った。
「すぐにイグドラシルに戻れ、緊急招集だ」
オメガモンはもう一度水面に目をやった。
 
そして凄まじいスピードで上空へと消えていった。
 
 
 
ロイヤルナイツが集う場所。
目立つ空席の1つに影が現れた。
「オメガモンこれに」
「でははじめようか・・・。金色のマグナモン」
デュークモンに指名されたマグナモンが口を開いた。
「ウルドターミナル、スクルドターミナルにレジスタンス組織が結成された。この目で確かめた。」
ウォーグレイモンの姿を思い浮かべながらオメガモンが忌々しげに言った。
「それらしい連中はベルサンディターミナルにもいる」
「ベルサンディにまで・・・」
デュークモンにオメガモンは言った。
「どうかしている」
「確かにな・・・。X抗体を持つデジモンとはいえ、私たちロイヤルナイツとまともにやり合って勝てるつもりなのか・・・」
マグナモンの言葉にオメガモンが割り込んだ。
「どうかしているのはどちらかな?」
それを聞いたロードナイトモンは
「異なことを・・・」
とつぶやく。
「オメガモン、何がいいたい」
「そのとるにたらんレジスタンス組織のために緊急招集とは・・・」
「しかし・・・」
デュークモンの発言に被さるようにしてオメガモンが言い切った。
「我々の任務はあくまでプロジェクトアークの遂行にある。イグドラシルの決定は絶対だ。いささかも揺るがん!」
そうしてオメガモンは姿を消した。
 
更新日時:
2007/11/09 
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