オメガモンは言う。「イグドラシルは・・・それを望まない・・・！」
オメガモンは無言で２体に迫る。ドルガモンはウォーグレイモンを見た。彼はドラモンキラーを構える。ドルガモンもオメガモンを見据えた。
猛スピードで海上を疾走するオメガモン。
次の瞬間、真紅の槍がオメガモンの目の前に突き刺さった。オメガモンはなんとか止まりきると槍を見て思わずつぶやいた。「この槍・・・」
「貴様の負けだ！オメガモン」全員が見上げるその先に紅いマントを翻したデュークモンがいた。「戦うつもりはない・・・。お前達に聞いてほしいことがある。Ｘプログラムは何故実行されたのか。その理由を知りたいか？」オメガモンがデュークモンに呼びかけた。「デュークモン！なにを話すことがある！？」しかしウォーグレイモンはそれを無視し、「デジモンの急激な変化に危機感を感じたイグドラシルは、旧世界を捨てる決定をした・・・！」と言った。デュークモンはうなずく。「隠すまでもないことだ・・・。そう。この世界に選ばれた少数のデジモンだけを移送し、他のデジモンは全て消去されるはずだった・・」「プロジェクトアーク。Ｘプログラムはそのために実行された・・！」ウォーグレイモンの言葉にデュークモンはつぶやいた「その名前も知っていたか・・・」しかしウォーグレイモンは続ける。「だが、オレ達は生き残った。そしてこの世界に逃れてきた。選ばれたデジモンも生き残ったデジモンも同じデジモンじゃないか！」オメガモンはウォーグレイモンの意見を否定した。「違う！お前達は異分子だ！イグドラシルはそう決定した」「オメガモン！現実を直視しろ！イグドラシルの決定はすでにそのレベルを超えている！」デュークモンにウォーグレイモンは問いかけた。「どういう・・ことだ・・？」デュークモンは言う。「イグドラシルは、プロジェクト・アークを第２段階に移行する！・・全デジモンを抹消するつもりだ」オメガモンが驚いて声を上げる。「貴様・・それは機密事項だぞ！」
デュークモンは静かに言った。
「かまうものか・・・。選ばれたデジモンも君達Ｘ抗体をもつデジモンも全て消去される」「そうまで徹底して・・・・」「我君イグドラシルからの指令。それを実行するのは我らロイヤルナイツの役目。しかし！このデュークモンにはできぬ！！」それを聞いたオメガモンは強い口調で言った。「裏切るというのか」「自分の気持ちを裏切るまいとすることがイグドラシルを裏切ることになるのかもしれん・・・。仕方あるまい・・・」
デュークモンの言葉にオメガモンは言った。
「次に会うときは敵か・・？」「残念だな。・・・我盟友オメガモン。・・・１つだけこのデュークモンのわがままを、聞いてもらえないだろうか・・？」「言ってみろ」デュークモンはウォーグレイモンとドルガモンを見下ろして言った。「彼らにも、次の機会を与えてほしい」
オメガモンは左胸を一度押さえ言った。「この痛み・・・、決してわすれん」そして空へ飛び上がっていった。デュークモンは帰ってきた槍を捕まえると２体に向き直った。
ゆっくりと背を向けると雲の中に消えていった。
厚い雲の中をデュークモンは上昇して行った。
月が照らす中をオメガモンはデュークモンを見下ろして言った。「待っていたぞ！・・・デュークモン」「どうしても・・・分かり合うことはできぬか・・・。決別だな」「イグドラシルの命に背くものをしておくわけにはいかん」
オメガモンはグレイソードを放ち言った。「ここならじゃまも入るまい！！」
デュークモンもロイヤルセイバーを向け言う。「よかろう！！」
デュークモンは猛スピードで間合いを詰める。
オメガモンはグレイソードを構えやはりデュークモンに向かう。
グレイソードとロイヤルセイバーが交わる。その瞬間２人を厚い雲が包んだ。
数秒間凄まじい閃光。続いて爆音が何度も起こる。それはとてもデジモンの戦闘のものとは思えない凄まじさだった。
やがて嫌な音とともに閃光と爆音がやみ、雲が消えた。
デュークモンの胸をグレイソードが貫いていた。
オメガモンが驚き「貴様・・・・！」とつぶやく。
「こうすることでしか・・・・確かめられない、ことが・・・・ある・・・」
デュークモンはデータに分解しながら言った。「手を・・・わずらわせた・・・」
オメガモンは
ゆっくりとグレイソードを戻した。
その目は信じられないという目だった。
ドルガモンは空を見上げていた。ウォーグレイモンが「どうした・・？」と聞いた。ドルガモンは振り返って答えた。「デュークモンが・・・」
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