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DIGITALMONSTER  
X−EVOLUTION   

                          (小説版)
 
                        フルCGアニメの小説版です。
 
8    第7章
システム界。
 
背を向け合ってマグナモンがオメガモンのそばに降り立った。
「浮かない顔だな」
「・・・マグナモン。お前は自分の戦いに迷いを持ったことはないか?」
「ない」
「その自信のよりどころは?」
「この世界の秩序を守るという使命感、そしてロイヤルナイツの誇りだ」
「・・・・。つまらんことを聞いた・・・。忘れてくれ」
そうつぶやくとオメガモンは立ち去った。
 
 
 
ドルガモンは以前隠れていた遺跡から辺りを見回しながら出てきた。
「トコモン!?」
ドルガモンはトコモンが柱に捕らえられているのを見つけた。
「お前がドルガモンか・・・」とマグナモン。
飛び掛ろうとしたドルガモンは罠にかかってしまった。わめき暴れるトコモンを一瞥するとマグナモンは手を上げ、言った。
「消えろ」
「![パワーメタル]!!」
ドルガモンの攻撃は罠を破壊し、同時にトコモンを開放した。
「その体勢から撃ってくるとはな・・・。まぁいい」
 
 
ドルガモンはシステム界に連れ去られた。
 
中枢エリアのゲートをくぐり姿を現したマグナモンにオメガモンが問いかけた。
「ドルガモンをイグドラシルに連れてきた。その訳を問いたい」
「イグドラシルの意思だ」
「なに・・・?」
「あれは・・・、帰ってきたのだ」
マグナモンはオメガモンに説明を始めた。
「ドルガモン・・・。いや、ドルモンは、われらが世界に生まれたデジタル生命体ではない。イグドラシル自らが作り出した実験体なのだ。・・・イグドラシルのお言葉だ」
「何のために・・?」
オメガモンの問いにマグナモンは答えなかった。
「さあな。イグドラシルの真意まではわからん。ロイヤルナイツとはいえ、所詮我らもかの君の手駒に過ぎぬ、ということか・・・」
 
ドルガモンはデータ分解され、白く輝くデータと青く光るデータに分かれた。
 
ロイヤルナイツが集う場所に一人オメガモンがたたずんでいた。
「デュークモン。お前の真意はどこにある?確かめたいこととはなんだ?・・このイグドラシルの真意とは・・?」
オメガモンは立ち去り際につぶやいた。
「ここにはまだ、おれの知らないことがたくさんあるのだな」
 
 
滝の裏の洞窟にウォーグレイモンが座っていた。メタルガルルモンがいつも立っていた辺りを眺めていた彼は物音に気づいて振り向いた。トコモンが飛び込んできた。
「ドルガモンは!?一緒じゃないのか?」
「・・・ロイヤルナイツが・・・・・」
「ロイヤルナイツがどうかしたのか!?」
泣き出したトコモンをウォーグレイモンは必死になだめる。
「誰もお前を責めたりしない。大丈夫だ。泣く必要なんかないんだ」
 
 
 
システム界。
ドルガモンから分裂した二つのデータは1つは精製され、もう1つは瀕死のドルガモンと共に排除された。
 
 
デジタルワールドの屑データが集まる場所。
レジスタンス組織のウィザーモンとマミーモンは使えそうなものを物色していた。
「おい!」
「なんだ?!」
ウィザーモンが何かを見つけマミーモンはそばに歩み寄った。ウィザーモンがダストをどけるとドルガモンの顔が現れた。
「・・・見かけない奴だな」
「ほぉっておけ!どーせ分解しかけてる」
「見つけちまったもんはしょうがないだろう。助かるかどうかはこいつの生きる力しだいだが・・・放っては置けん」
ドルガモンに乗ったダストをどけ始めたウィザーモンを見てマミーモンは「面倒をしょいいこむのはごめんだぜ」と言い残し物色を再開した。
 
 
そのころドルガモンから分裂・精製されたデータは変化し、なにかデジモンの姿に変わっていった。
更新日時:
2007/04/30 
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