デジタルモンスター
エターナル・ログ・ストーリー

第一章




 21    第21話 「守衛」
For:
2008.06.23 Mon.
積山はウィルドエンジェモンを追っていた。
「・・・・どうしようか・・・・・」
このままいけば商店街に出る。
そうなれば面倒なことになる。
角を曲がると商店街からのわき道につながっている。
「まっすぐ進んでくれ・・・・」
ウィルドエンジェモンは角を曲がった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なにかつぶやきながら槍を構えて2テンポ遅れて積山も角を曲がった。
「うわっ!」
角を曲がった所にいたのは天羽だった。
驚いた表情を見せた彼女に積山は辺りを見回し、聞いた。
「こっちに・・・、!!」
羽音に気づいた積山は上を見上げた。
ネオデビモンが真上から攻撃してきた。
 
 
 
少し前。
積山がウィルドエンジェモンを追い始めたとき。
 
嶋川とアグモンはネオデビモンに応戦していた。
「やばっ、い!?」
嶋川はネオデビモンが撃ち込んだ蹴りを間一髪でよけて脇に転がり込んだ時だった。
受身を取って顔を上げた嶋川の視界に炎を口から洩らすアグモンが映る。
「ちょ・・・、ちょっと待て!!」
「[ベビーバーナー]!!」
撃ちだされた火炎弾は狙いたがわずネオデビモンに直撃し、火の粉が大量に嶋川に降り注いだ。
「熱っ、!!!熱っ、バカヤロウ!!殺す気か!」
「げっ、わりぃ」
火の粉を払い怒鳴り声を上げた嶋川にアグモンはとりあえず謝った。
 
「?」
「?」
 
嶋川はすこし火のついた上着をはたくと、となりに立ったアグモンと辺りを見回した。
「・・・・・・・・・あ?・・・・・・」
「・・・・・・・・・どこ行った?・・・・・」
 
 
 
そして今、ネオデビモンは2人に襲い掛かった。
「!」
とっさに天羽を抱きかかえできるだけ離れるように倒れる。
「[ブラッドネイル]!!」
 
ギルが角から飛び出し、ネオデビモンに攻撃を撃ち込んだ。
すでに投げ上げられた断罪の槍を受けていたネオデビモンはトドメをさされ消滅した。
 
「ありがとうね、ホントに危ないところ・・・」
「・・・・・オイ」
「・・・・・なに」
「おれがどんな思いをしたか分かってるんだろうな」
「?」
「暗い中にほっとかれた上閉じ込められたんだぞ?おまけに天井が崩れるしな」
「・・・・・・・悪かったよ」
積山は気まずい空気を切り替えるように天羽をたたせると服の砂埃を払った。
 
ギルは暗いところが苦手、か。
 
 
足音がして振り返ったギルは嶋川と目が合った。
「お、ギル。生きてたか」
「殺すぞ」
「わりぃ」
短く会話を済ませると嶋川は積山の後ろで首をかしげている天羽を見つけてため息をついた。
「またお前かよ。・・・・・まっ、いっか。ところで・・・・・」
嶋川は足元の砂の山を指して、
「“ついさっきまでネオデビモン”、だな?」
積山は頷き、
「今回ばかりは誰かに見られるかと思いましたよ」
と言った。
「そこのお嬢さんはいったい?」
と嶋川は再びため息をついて言った。
「まぁ、今回はいいんじゃないか?おれたちが取り逃がした奴を倒したわけなんだし」
とアグモン。ギルはまだ不機嫌で、
「おれは?とんでもない目にあったんだが」
とまだぼやいていた。
積山は天羽に向き直ると、
「今日のことも秘密ですよ?」
と言った。
「ん、ナイショ」
あまりにも素直な返事だ。
 
しかし信用するしかない。
 


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